複雑な工程が分業化され、多くの匠の手と長い時間を経てでき上がります。
1.図案
図案師により、季節や流行をふまえた図案を作成していきます。
2.下絵
白生地の上に、青花(あおばな—水で落ちる露草の花からとった青い特殊な染料を使って図案を写していきます。
3.糸目糊置き(いとめのりおき)
下絵の輪郭線(糸目)に添って防染のために、糊を置いていきます。
4.挿し友禅(さしゆうぜん)
彩色(色を挿す作業)の作業で、ぼかし、重ね色などもこの段階で行われます。
色挿しの前に豆汁(生大豆をすりつぶした液)を生地にひきます。
これは彩色の際、染料のにじみの防止、染料が生地によくなじむ効果があります。
5.伏せ糊置き
生地を100℃以上約30〜40分蒸した後、地色がつかないよう模様の色をつけた部分を糊でカバーします。
6.地染め
地色のあるものは、さらに模様の上に伏せ糊をして、地色の染料を引染めし、再度蒸して色をととのえます。挿し友禅と引染めの工程によって、京友禅独特の色合いが
生まれてくるのです。
7.蒸し
染めた色が生地に定着するように、蒸箱に入れて 100度近い温度で約20分から50分間蒸します。
8.水洗
蒸し終った生地はすぐ水洗いして、糊をきれいに落とします。
9.湯のし
生地をいったん乾かし、また蒸気を当てて生地を柔らかく伸ばします。この工程で色艶がいちだんと冴え、ようやく完成します。
10.印金・刺繍
必要により金箔や金銀糸の刺繍を施していきます。
※手描き工程の2.〜5.までが次のように変わります。あとは手描きと同じ工程を経ます。
2.型彫り
柿渋や樹脂などで防水した特殊な紙で、型紙を作ります。
図案を色分けして一色ごとに型紙に写し、小刀で切り抜きます。
用いる色の数だけの枚数が必要となり、型紙の数は50〜100百枚にもなります。
3.型置き
生地の上に型紙をあてがい、写し糊(糊と染料をまぜ合わせたもの)を、
染料の液をハケで刷りこむと型紙の彫り抜かれた部分だけ生地に染料が付着します。
型紙の数だけこれを繰り返すと一模様ができます。
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