私が染め職人の丁稚奉公として、京都へ来たのはもう30余年近く。
近隣は染元、白生地問屋が並び、着物一色の街並み。
京友禅職人は自らの感性を持ち、技法にもこだわりをもっていました。
それらを取り扱う問屋さんも、目利きができ、職人肌でした。
時代は変わり平成の世。
京都の街並みもマンションが建ち並び、我がひとしほの近隣からも
こだわりの染元、職人もいなくなってしまいました。
我々は「染匠」です。染めを生業としています。
「染匠」の役割はお客様の意見を聞き、最良の品を創り上げ、そして
実際に着物をお召しになるお客様から「いい着物をありがとう」と喜んで頂く事。それが本来の我々の使命であり、受け継がれてきた京染めの歴史です。
それには磨かれた感性が必要です。
春には桜の香りを感じ・・・
夏には蛍のはかなさを・・・
秋には紅葉に感動し・・・
冬には雪の美しさを・・・
季節の移り変わりを感じ・・・
自らが感じるままを着物に表現したい・・・
職人としての原点に今の時代だからこそ帰りたいと思います。
ひとしほ 山田勇人
アクセス:
地下鉄烏丸線
「北大路駅」より京都市営バス「北1系統」
阪急京都線「四条大宮駅」より京都市営バス「6系統」
「土天井町」下車 徒歩3分
クリックで拡大